ぬか床をもつ

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小さかった頃、祖母が台所でぬか床を混ぜる様子を羨ましい思いで見ていた。
ぬか床の酸っぱい香りも好きだったし、
まるで泥遊びをしているようで気持ち良さそうで、私もやってみたかったが、なんだか、「あれは、おばあちゃんのものだ」という思いが強く、一度も触ったことがなかった。

時が経ち、祖母は亡くなり、ぬか床も無くなった。
今にして思えば勿体ないことだけど、当時はまだ学生で、ぬか床への興味は全くなくなっていた。

更に時が経ち、父が定年後、ぬか床をもった。
スーパーで売っているジッパー付きの袋に入った簡単なものだけど、味は美味しかった。
私は古漬けが好きなので、帰る時は父に頼んで長めに漬けておいてもらう。それを切らずに丸まま齧りながら、おにぎりを頬張るのが最高に美味しいのだ。

今年、我が家でもそれができるように、
ついに私もぬか床をもった。
まだ味は不安定だけど、毎日、ぬか床を混ぜている。
いい匂いだし、やっぱり泥遊びみたいで楽しい。
キュウリやナス、大根や人参、長芋、それにモウイ。いろんな野菜を漬けて、また今夜もいただこう。